校長あいさつ

 本校は、平成22年に前身の田布施農業高等学校と田布施工業高等学校のそれぞれの歴史と伝統を引き継ぎ、山口県唯一の農業科と工業科が併設された専門高校として開校しました。本校では、「農」「工」の特色を生かした4つの学科、「『生命』の鼓動に触れ、感じ、学ぶ」生物生産科、「『おいしさ』を科学する」食品科学科、「希望と潤いある『まちづくり』」の都市緑地科、「『君のやる気を形にかえる』ものづくり」の機械制御科があります。校訓「誠実 創造 勤勉」のもと、それぞれの学科で将来の地域産業を支える職業人の育成に向け、地域連携を軸とした教育活動を実践しています。 
 農業と工業は、今日の私たちの生活を支える重要な産業ですが、近年、私たちを取り巻く環境や社会は、デジタル革新Sosiety5.0やグローバル化などの変化の波が押し寄せるとともに、温暖化やコロナのような未知のウイルスの影響など、これまで予測もしなかったことも起こっています。私たちは、予測が難しいことや答えが1つではないことに、様々な視点からアプローチし、課題解決に臨むことのできるような人材の育成が必要であり、学びの質の向上が求められています。
 このような中、本校は、スクール・ミッションを「地域・社会や地元企業等との連携・協働による課題解決に向けた探究的な教育活動や、農業と工業が連携・協働した教育活動を通して、社会の変化に対応する創造力を有し、自ら考え他者と協働して課題を解決し、豊かな人生を切り拓くことのできる、持続可能な社会の創り手となる人材を育成します。」とし、地域社会の課題を見つけ、その解決のために主体的に取り組む生徒の育成に努めているところです。
 本校において、1学年の「産業基礎」(総合的な探究の時間)では、農業と工業の基礎分野を共通に学習することができ、2、3学年の選択科目では、学科の枠を越えて科目を選択することができます。農業と工業が融合した研究に取り組むことができ、それぞれの専門的な内容を学び、時代の変化に対応する新しい視点から創造的に思考する力を培うことができます。
 2023年度は、これまでの取組を継承するとともに、一昨年度まで3年間取り組んだ「田布施あいキュービックプロジェクト~地域の未来を切り拓くジェネラリストの育成~」の取組成果を生かして、生徒一人ひとりの一層の成長につなげいきたい考えておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。            

令和5年4月
山口県立田布施農工高等学校
校長  熊 原 靖 夫