本校は、平成22年に前身の田布施農業高等学校と田布施工業高等学校のそれぞれの歴史と伝統を引き継ぎ、山口県唯一の農業科と工業科が併設された専門高校として開校しました。今年度は15期生の新入生を迎えたところです。校訓「誠実 創造 勤勉」のもと、スクール・ミッションでは、課題解決に向けた探究的な教育活動や農工の連携・協働した教育活動を通して持続可能な社会の創り手となる人材を育成することを謳い、地域連携を軸とした教育活動を実践しています。
「『生命』の鼓動に触れ、感じ、学ぶ」生物生産科
「『おいしさ』を科学する」食品科学科
「希望と潤いある『まちづくり』」の都市緑地科
「『君のやる気を形にかえる』ものづくり」の機械制御科
4学科それぞれで、特色ある授業や実習、課題研究に取り組み、地域人材や地域資源を生かした活動を積極的に行っています。昨年度は、関連事業所との連携による農畜産物の栽培・飼育・販売や食品加工・商品開発・調理実習、小中学校への出前授業や交流学習、田布施町と共催した防災フェスタ、小中学校の児童・生徒向けのものづくり教室、幼保小の園児・児童向けの収穫体験などに取り組みました。これらの取組は、本校の大きな特色として注目され、地域からも厚い信頼を得ているとともに大きな期待が寄せられています。
今、私たちを取り巻く環境は、人口減少や少子高齢化、生成AIによる革新的技術の進展、グローバル化など、一層予測が難しい時代になってきました。農業や工業もその渦中であり、新しい考え方やシステムが導入され、多様なアイディアの創出が求められるようになってきました。本校では、そのような時代の波に乗れるよう、豊かな環境や最新の設備を生かした課題解決学習や協働的な学びを通して、生徒の皆さんの探究心に火が付くよう仕掛けをつくり、基礎学力の大切さも気づかせながら、思考力・判断力・表現力、そして知識・技術を高めていきます。また、その課題探究の姿勢は、総合的な探究の時間や課題研究を通して育んでいきます。令和元年度から3年間実施した文部科学省事業「田布施あいキュービックプロジェクト」の成果を生かしつつ、新たな発想で、3つの『あい』、見て知る「Eye(見る)」、自分事して考える「I(自分)」、己を愛し地域に貢献する「AI(愛)」の「あい3(あいキュービック)」により、課題解決のためのアイディアを考え、アイディアを実践していきます。
令和6年度も、教職員が一丸となり生徒の将来の道筋を立てるべく、一人一人の成長を支え、自己実現が図られるように取り組んでまいりますので、どうぞ、よろしくお願いします。
令和6年4月
山口県立田布施農工高等学校
校長 熊 原 靖 夫